押し目買いとは
押し目買いとは相場用語で、上げ相場で株価が一時的に下落したタイミングを見計らって買いを入れる手法のことです。株価が下落することを、相場用語で「押す」と表現することからこう呼ばれ「押し目を拾う」といった用法としても使用されます。「逆張り」の投資手法に含まれ、株価下落時に買い向かうことで、株価が再度上昇すれば大きく利益を出すことが可能です。株価や債券相場、為替相場、商品相場等でも広く用いられる相場用語です。
ただ「押し目待ちに押し目なし」という相場の格言があり、強い上昇相場入りした銘柄や指数では「押し目」を狙ってもチャンスが中々ないこともあります。

例えば、最近流行りのインデックスファンドに長期投資をする場合、
200日移動平均線等を確認し、長期で上昇していることが1つの目安になるよ。
米国株投資が流行っているけれど、長期に渡って右肩上がりに上昇しているため、
安心して押し目買いをしやすいね。


購入タイミングについて「一括か分割か」の議論がされるけど、リターンの最大化という観点からいえば「まとまった金額を一括で投入」「長期積立を継続」「押し目を拾う」と3つを組み合わせる方法が良いとされているよ。
※まとまった金額の一括投入は、同時にリスクが高まることを覚えておいて。
逆張り(ぎゃくばり)とは、下落相場時に買う手法のこと。下落相場という相場の流れや人気に逆らって売買するためこう呼ばれる。
逆張りに対し、相場の流れに従った売買を順張りという。
通常の投資では、株価が上昇するタイミング(順張り)で買い向かうことで利益を出していく。
逆張りは、強い上昇トレンドの押し目である株価が割安のタイミングを計ることで、より利益を出そうとする欲張った方法。トレンドやタイミングを見誤ると、そのまま下落し続け大きな損失となる。



このチャート以降の株価上昇の予想が当たった場合、8月中旬に順張りとして購入するより9月末に逆張り(株価下落時)で購入した方が割安のため、利益が大きく出すことが出来る。
予想通りに値上がりしたら大きく儲けられるけど、予想に反してどんどん下落したら悲劇だね。だから、銘柄選定・押し目の買い判断基準・タイミングが大切になってくるだ。
ナンピン(難平)買いとは、保有している銘柄の株価が下がったときに、買い増しをして平均購入単価を下げることです。ナンピン買いは、株価が上昇トレンドにあって一時的に下がったときに買い増す押し目買いとして有効な反面、銘柄やトレンドを見誤って下落トレンドの途中で行うと更に損失が膨らみます。

勿論、購入時は押し目買いをしているつもりだから質が悪い。
米国株でもしっかりと銘柄選定やトレンドを確認しないと
大きな損失になることもある。

上記のチャートは「WEBL」というETFのものです。一時、100ドル近くまで上昇したを考えると、現在の70ドルは割安だと考え1口購入したとします。更に株価が下落し、赤丸の過去の反発ポイントである58ドルで1口を追加購入します。すると1口当たりの平均購入単価は64ドルとなり、今後株価が上昇したとすると利益が出る水準が下がります。これをナンピン買いといいます。
今回の場合は、株価は更に下落し大きな損失を出していることが想像できると思います。
赤い線は200日移動平均線になりますが、購入時にはやや右肩下がりの下落トレンドとなっていることが分かります。
※「WEBL」
ダウジョーンズ・インターネット・コンポジット指数に連動する有名な3倍ETFで「レバナス」と同じ名称のことです。
上位の組み入れ銘柄として、アマゾン、メタ(フェイスブック)、Google、ネットフリックス、ペイパル、シスコ等があります。コロナ後からの短期間に一時、8倍になるなど人気になりましたが、今では見る影もありません。
押し目買い判断基準(初心者向け)
押し目での買い増しタイミングの判断基準は人それぞれですが、基本は共通することが多い為、有名なものをご紹介します。複数組み合わせる・数値をアレンジすることで精度を高めて、ご自身で納得する押し目買いをしましょう。ここでは投資信託、特に「レバナス」購入を念頭にNASDAQ100チャートを使用していきます。
※押し目買い判断基準の説明では、私個人の主観が入っているとともに、あくまでも購入タイミングを計る根拠を複数持たせるための考え方の一例と捉えて下さい。投資は自己責任でお願いします。

ここではNASDAQ100の日足チャートを用いてテクニカルな部分について説明するよ。
押し目買いの判断基準をこれから作成していくけれど、まず知っておくべきことが2つある。
①株価の未来を予測することは絶対に出来ないこと
②大きな下落時には正確な判断(冷静さを保つこと)が出来ない
上記のことから、次の2つのことを守ることをおすすめするよ。
1.判断基準は事前に納得できるものを作成しルール通り必ず遂行する。
2.都合の悪いシナリオもしっかりと想定し対応方法を作ること。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言もあり、どんぴしゃりで底を当てることは不可能なので、
肩の力を抜いて底値付近で買えたらいいなくらいの気持ちで取り組みましょう。

押し目買いのタイミングをはかるテクニカル指標は、大きく3つの種類がある。
①直近の中で、割安なタイミングが分かる指標。
②過去の下落と比較し、底値付近(反発ポイント)のタイミングが分かる指標。
③底値を抜けて、上昇トレンドに転換するタイミングが分かる指標。
上記の3種類の指標を組み合わせ、
自分なりの押し目買いの判断基準を作成する。
それでは、読み進めてみてね。
1.下落率
下落率はテクニカル指標ではありませんが、シンプルで分かりやすく多くの方が取り入れているため説明します。基準の価格(値)より○○%下落したタイミングを押し目買いの判断基準とする訳です。下落率でタイミングを計る場合は、①基準の価格②判断期間と値③下落率を事前に決める必要があります。
①基準の価格
投資信託等の場合で考えると、下落率を算出する基準の価格(値)は2種類あります。
・元の指数の値
・投資信託の基準価格
投資信託(インデックスファンド)の基準価格は、商品毎に決められたベンチマーク(指数)の値動きに連動するので好みの問題です。勿論、投資信託の基準価格は経費や為替等の影響も受けるので全く同じにはなりませんが誤差の範囲と言えると思います。チャート等を見ることが得意な人は元の指数の値で考え、チャートの見方が分からない人は投資信託の基準価格で考えることをお勧めします。
投資信託(インデックスファンド)のベンチマークになる米国の指数は複数ありますが「レバナス」のベンチマークになっているのはNASDAQ100という指数です。

レバナス含め、NASDAQ100は多くの人気投資信託のベンチマークとして採用されてい
※上記は、意図的にNASDAQ100指数連動の投資信託を多く掲載しています。
投資信託の基準価格の注意点(海外に投資するファンド)
投資信託の基準価格は前日の終値で計算されます。外国に投資するファンドの場合、金曜日の相場の結果は翌週の月曜日にならないと基準価格として反映されません。例えば週末の時間が取れる時に基準価格で判断するとすると、木曜日までの相場で判断することとなりますので注意する必要があります。

基準価格は、楽天証券では22時半頃、SBI証券では23時頃に切り替わります。日付が更新されていることを確認しましょう!
②判断期間と値
下落率を算出する基準として「どの期間を切り取るか」と「どの値とどの値を比較するか」を決める必要があります。下記3つの価格を設定している人が多いと感じます。
1.直近高値
2.先週末価格
3.先月末価格
これはチャートや価格の確認頻度やどの銘柄・指数で行っているかで変わってくるかと思います。
NASDAQ100指数は右肩上がりですので直近高値がおススメですが、確認作業を週末だけにしたい場合は、先週末価格と今週末価格の下落率で判断するのも良いかと思います。


レバナスの基準価格を参考にして買い時を判断しよう。
1.直近高値での計算方法
レバナスの直近高値は、11月22日に付けた43,151円です。直近高値で判断する場合は、直近高値と本日現在の基準価格との差で判断します。
(例)20%以上の下落時に買い増しする場合。
43,151円×0.8=34,521円
これ以下になれば買い増しタイミングとなりますので、上記の表では1/21と1/28が該当します。
2.先週末での計算方法
毎日チャートや基準価格なんか見れない。週末だけで勘弁して下さいという場合におススメです。
直近高値の場合とニュアンスが異なりますので確認して下さい。
(例)先週末(1/21)と比較し、今週末(1/28)が5%以上安い時に買いたい場合。
34,278円×0.95=32,564円 これ以下なら買い時です。
1/28の基準価格は30,405円なので買いとなります。
3.先月末での計算方法
株のことなんか月に一回だけにして下さいという人にはおススメです。週末と考え方は同じです。
(例)先月末(1/4)と比較し、今月末(2/1)が5%以上安い時に買いたい場合。
42,451円×0.95=40,328円 これ以下なら買い時となりますので、2/1は買いとなります。
③下落率
肝心な下落率は、NASDAQ100の一例となりますが、マイナス5%刻みに設定している人が多いと思います。この-5%刻みとは-5%、-10%、-15%・・・となったタイミングでの押し目買いをすることにより、下落の底は分からないけれど、割安の範囲で拾う考え方です。

上記は2021年3月頃のチャートですが、2021年で一番の下落です。直近高値からの下落率は11%以上のため、5%と10%の下落時での購入はベストではありませんが割安なポイントを掴んでいます。
この下落率は高く設定することで割安に購入可能となりますが、発生回数が少なくなるので必然的に購入頻度が低下します。下落率の決め方は下落の発生頻度や下落率に加え、個人の事情(入金力等)や銘柄、指数によって異なります。
注意点
レバナスは2倍のレバレッジファンドとなるので、ベンチマークの指数を使用する場合と基準価格を使用する場合では、設定する下落率を変える必要があります。

(例)
基準価格で1/21と1/28を比較すると
30,405円÷34,278円=-11.3%
NASDAQ100で1/20と1/27を比較すると
14,003.11ポイント÷14,846.46ポイント=-5.7%
〇過去10年のNASDAQ100指数
レバナスのベンチマークであるNASDAQ100指数については、5%以上の下落が年に1回~4回あります。下落率には幅があり、20%前後の大きな下落は数年に1回程の頻度で、10年に1度のコロナショックのようなリセッション局面では下落率が30%にもなります。

〇下落率で買い増し基準を作成する場合
過去のNASDAQ100を確認すると、ほとんどが20%以下の下落率に収まります。単純に直近高値から5%刻み(-5%.-10%.-15%・・・)の購入ルールを設けると対応することが可能ですが問題もあります。例えばこのルールでは、コロナ・ショック時に6回も買い増す必要があり、資金面や精神的にかなりきついと考えられるからです。
年による下落数のバラつきを考慮するとともに、20%以上の下落時に対応するため他の指標も加えタイミングを計る等の工夫が必要です。
2.移動平均線
①移動平均線とローソク足の位置関係から底値を判定し購入する方法です。
日足であれば、25日・50日・75日・100日・200日等の良く使用される日数の中で、サポートラインとして機能しているものがないか探します。
下記2つのチャートは同じ期間のもので、上は25日移動平均線、下は50日移動平均線を表示しています。今回は一目瞭然、25日移動平均線の方が投資家に意識されていて、実際に反発しているように私は感じます。どの日数の移動平均線が使われるかは市場や銘柄によって異なるため、ご自身で判断する必要があります。


② 移動平均線とローソク足の位置関係から割り込むことの少ない移動平均線を選定し、タッチ又は割り込んだタイミングでより割安に購入する方法です。

上記は、先ほどまでと同じ時期の100日移動平均線を表示させたチャートです。こちらも50日移動平均線と同様にあまり意識がされていません。ここで注目すべきなのは頻度と下落幅で、上昇トレンドの続くNASDAQ100指数では、100日移動平均線と25日移動平均線を割り込んだ回数と下落幅を比較すると、100日移動平均線の方が回数は少なく下落幅は大きくなります。つまり100移動平均線を割り込んだタイミングで購入すれば割安の可能性が高くなりますが、期間が空くため機会損失に繋がる可能性も高くなります。ここでの機会損失とは、下落幅の大きいタイミングを見計らっていたらどんどん株価が上昇し、手持ちの働いていないお金が勿体ないという意味です。
移動平均線とは、過去一定期間の価格から平均値を毎日算出し折れ線グラフとして繋いだもの。
最も代表的なテクニカルチャートの1つで、価格の傾向や流れ等の相場の方向性を見る手掛かりとして、ローソク足と組み合わせて売買のタイミングを計る時に使用される。
下記チャートの青い棒グラフが日々の値動きで、オレンジの折れ線グラフが5日移動平均線として具体例を示す。
下落トレンドから上昇トレンドに移行する相場の流れを読み取ることが出来る。
〇計算方法
例:10月5日は10月1日~10月5日までの5日間を合計し平均を算出したもの。
(300+170+115+90+75)÷5=150円
10月6日は10月2日~10月6日までの5日間を合計し平均を算出したもの。
(170+115+90+75+40)÷5=98円
以下省略

上記チャートと図から、値動きの底値は10月6日で、移動平均線の底値は10月7日になることが分かる。移動平均線は実体より少し遅れて反応する特徴がある。平均する日数が大きくなるほど、より遅れて反応することになる。
日足の5日移動平均線や25日移動平均線は、5日なら1週間、20日なら約1か月と市場時間の日数で意味のあるものとなる。これは多くの投資家が意識しているもの程、実際に意味を持つため。
週足で一般的な13週移動平均線は約3ヵ月、26週移動平均線は約半年を意味する。

1週間の内、土日の2日間は市場が休みになるよ。
だから「5日≒1週間」って訳だ。
平均する日数が少ない移動平均線は直近の値動きを掴むことに利用され、平均する日数が多い移動平均線はより大局的なトレンドを掴むことに使用される。

茶色の25日移動平均線と紫の50日移動平均線から、大局としてはゆっくりとした上昇トレンドであることが分かる。その中で5日移動平均線が急激に下落して先ほどの2本を割り込んでいることから現在は一時的に下落トレンドであることが分かる。今後、25日と50日の移動平均線も右肩下がりになった場合は本格的な下落トレンドの始まりで、5日移動平均線が25日と50日より上で推移し始めたら上昇トレンドに戻ったと判断できる。
移動平均線のまとめ

出てきた指標を使って、買い増し基準を作成するよ。
最終的な基準は、私が実際に使用しているもの。
新しい指標が出てたら、各指標のまとめで取捨選択し、
より精度の高いものに仕上げていくよ。
移動平均線は最初だから細かく説明していく。
NASDAQ100指数において、移動平均線を使用した買い増し戦略を3つ考える。
1. 25日移動平均線が1つのサポートラインとして機能しているので、タッチした段階で購入する。
→反発ポイントなので、その下落の底値と考えられるため。
2.100日移動平均線を割り込んだタイミングで購入する。
→25日移動平均線での購入するより、割安のため。
3.資金を分割し、25日移動平均線にタッチした段階で1回購入し100日移動平均線を割り込んだタイミングで更に購入する。
→25日移動平均線でタッチした場合、反発するか下落するか分からない為、両方のシナリオをカバーした考え方。
メリット・デメリット
1.購入頻度は多いが、若干割高感がある。購入回数が多くなるので資金余力がある人や機械損失を嫌う人におススメ。
2.割安で購入可能だが、年に数回しかなく機会損失になる場合がある。
3.割安でも購入可能だが、頻度が多すぎて資金との兼ね合いがある。
3.トレンドライン
トレンドラインでサポートが利いてると考えればそこにタッチした時が 底値と判定し購入するチャンスです。
下記は先ほどより少しチャート範囲を広げ、2020年9月頃からのチャートです。
先ほど100日移動平均線を割り込んだ2つ(下記チャートの右2つ)の下落の底値を、ぴったりと当てています。

トレンド
トレンドとは株価の大局的な動きのことを指し、株価は上向き(上昇)か下向き(下降)か、横ばい(保ち合い)の大きく3つの動きで推移している。相場の方向性は政治や経済等の様々な情勢を受け決まりますが、投資家はトレンドに合わせて取引を行うため、1度発生したトレンドは一定期間継続する可能性が高いことが知られてる。
トレンドライン
トレンドを把握するためにチャートに引く線を「トレンドライン」と呼び、大きく分けて2種類のトレンドラインがある。
・上値抵抗線(レジスタンスライン)
株価の高値同士を結んだもので、上値の目安になる水準。
・下値支持線(サポートライン)
株価の安値同士を結んだもので、下値の目安になる水準。

今回は株価の下値を結んだサポートラインを使用し、下値の目安水準を推測して押し目買いのタイミングを計った。
※トレンドラインやレジスタンスラインは必ずしも引ける訳ではない。
トレンドラインまとめ
NASDAQ100指数の買い増し基準である先ほどの3つの戦略を、トレンドラインを組み入れより具体化させる。
1. 25日移動平均線が1つのサポートラインとして機能しているので、タッチした段階で購入する。
2.100日移動平均線を割り込んだ場合、トレンドラインにタッチしたら購入する。
3.資金を分割し、25日移動平均線にタッチした段階で1回購入し、100日移動平均線を割り込んだ場合 トレンドラインにタッチしたら購入する。

「株価の未来が分からない」の原則から、底値を当てにいくトレンドラインには賛否があるけれど、チャートの動きは投資家の心理が働いていることも確かな事実ではある。
機能するはずがないと思えば取り入れる必要はないし、
機能している・1つの目安が欲しいと思えば取り入れよう。
トレンドラインはそもそも自分で引く必要があるので、初心者にはネックかもしれない。
4.RSI
先ほどトレンドラインで引いた4つの下落局面ですが、いずれも日足RSIが40前後まで低下しています。
割安の1つのサインとし利用し購入するチャンスです。特に多くの投資家が参考にしている指標です。
今回は日足RSIですが、週足のRSIを活用する人もいます。
過去のチャートでは、サポートラインにタッチしたタイミング(下落の底値)と日足RSIが40切ったタイミングがほぼ一致しているので、2つを組合わせることでより正確に購入タイミングを計ることが出来ます。

RSI
RSIとはテクニカルチャート(オシレーター)の1つで「Relative Strength Index」の頭文字をとったもの。日本語では相対力指数と呼ばれ、現在の相場の強弱(過熱感)を表すことで、買われすぎ(上昇しすぎ)か売られすぎ(下降しすぎ)かを判断できる。
RSIは数値の0~100で表され、一般的に70~80%以上で買われすぎ、20~30%以下で売られすぎと判断する。売られすぎている≒割安になっていると考えられる。
ナスダック100の場合は、日足RSIが30を割り込むことはかなり珍しく40以下を逆張り時の目安として使用する人が多い。
直近で日足RSIが30を切ったのはコロナショック時の2020年2月~3月に数回あった。
RSIの欠点
上昇トレンドや下降トレンドのトレンドがはっきりと出ている場合やもみあいの展開では、同じような数値で推移することになり、どの水準をもって買われ過ぎ、売られ過ぎとするのか判断しにくくなる欠点がある。
RSIボリンジャー
RSIボリンジャーは、RSIの数値自体のボリンジャーバンドを表示させることで、はっきりとしたトレンドが出ている場合やもみあいの場合で、買われ過ぎ・売られ過ぎを適正に見れる。
NASDAQ100チャートでははっきりとした下降トレンド時に、RSI40付近を推移することとなり購入タイミングが分かりにくい。RSIボリンジャーを使用することで、購入タイミングが分かりやすくなる可能性がある。
通常NASDAQ100指数では、40以下が売られすぎサインとなりますが、上昇トレンドではそこまで下がることはありません。下記のチャートでは上昇トレンドの一時的な下落を正確に捉えて、RSIの数値がボリンジャーバンドから下へ突き抜けています。

RSIまとめ
NASDAQ100指数の買い増しタイミングを、先ほどの3つの戦略にRSIを組み入れることでより精度を高める。

RSIで確認すると、25日移動平均線にタッチしたタイミングは、下がっても50前後で割安とは言えない。購入タイミングを下記の通り変更する。
1.100日移動平均線にタッチ又は割り込み、トレンドラインにタッチし尚且つRSIが40以下の場合購入する。
5.VIX指数とVXN指数



左は上記チャートの左2つの期間を拡大したもの
先行指数なのでぴったりと一致する訳ではないが、注目している投資家が多いVIX指数。割安での購入が出来るチャンス。上のチャートは2020年9月頃からのNASDAQ100指数とVXN指数の比較。VIXが有名なため、NASDAQ対応のVXNとどちらを使用するかの比較は難しい。
VIX
VIX指数とはVolatility Index (ボラティリティ・インデックス) の略で、投資家が市場に不安や恐怖を抱いている時に上昇する数値なので、別名「恐怖指数」とも呼ばれる。S&P500指数の値動きをもとに算出され、先行きの値動きが荒くなる(ボラティリティが高くなる)と見る投資家が多くなるとVIX指数は上昇し、相場の膠着状態(ボラティリティが低くなる)が続くと見る投資家が多くなるとVIX指数は低下する。つまり、米国市場の先行きの不透明感が高まり相場が下落するとVIX指数は上昇する先行指数(30日程)。
VIX指数は通常10〜20の範囲内で動くとされるが、期間が長い場合は相場が楽観的で短期的な天井圏であるとの見方もできる。30を超えると警戒領域と判断され、年に1度の暴落では40前後まで上昇する。新型コロナショック等の過去のリセッション(景気後退)局面では、80前後まで上昇している。
VXN
VXNはナスダック版恐怖指数のことで、正式名はCboe NASDAQ-100 Volatility Index (VXN)である。値動きがS&P500より大きい為、通常20~30で35~40を超えると危険領域と判断される。
VIXの方が有名で、VIXやVXNは押し目買い時の判断に利用される。
※ボラティリティとは価格の変動性のこと。
VIX指数とVXN指数 まとめ
NASDAQ100指数の買い増し戦略とVXN指数の関係から先ほどの戦略を考える。
VIX指数は下落と完全一致しないため使用が難しい。購入タイミングはVIX指数を参考までに確認する。
ここでの完全一致とはVXNの上昇率と下落率の相関性や、VXNの高値から株価の底値までの期間のこと。
1.100日移動平均線にタッチ又は割り込み、トレンドラインにタッチし尚且つRSIが40以下の場合購入する。参考までにVIX指数を確認する。
6.MACD
RSIとともにとても人気の指標。移動平均線よりは相場転換のサインが先行するが、RSI等よりは遅い。トレンド転換が分かる指標なので最安値での購入は難しいが、相場転換の可能性が高いタイミングでの購入が可能。
相場下落時の投資は落ちてくるナイフをつかむようで、どこまで落ちるか予想出来ない。安値値圏の買い場だと思って飛びつくと痛い目に合う為、ナイフが床に落ちてから、つまり底を打ったのを確認してから投資すべきという相場格言もある。

MACDとは短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで、買いと売りを判断可能な指標のこと。通常、短期を12日・中長期を26日・シグナル期間を9日に設定し使用する。
MACDで使用する移動平均線は通常の単純移動平均線と異なり、新しい価格の比重を高めて計算される。これによりゴールデンクロス・デッドクロスといった「買い」と「売り」を判断させるタイミングが単純移動平均線と比較し先行する。相場の転換をより早く判断するのに有効である一方、騙しが多くなったりレンジ相場に弱いデメリットもある。
MACDは基本となる線(MACD)と、MACDの移動平均線であるシグナルと呼ばれる2本の線の推移で売り買いを判断する。

下記は、基本線(MACD)が青色、シグナル線がオレンジ色のチャートだよ。株価の動きとMACDの流れを確認してね。

・下落トレンド
基本線(青/MACD) とシグナル線(オレンジ)が下降していて、シグナル線(オレンジ)が基本線(青/MACD)より上の場合

・ゴールデンクロス(買いタイミング)
シグナル線(オレンジ)を基本線(青/MACD)が上抜けるタイミング。マイナス圏で起こるとより信用度が高い。

・上昇トレンド
基本線(青/MACD) とシグナル線(オレンジ)が上降していて、シグナル線(オレンジ)が基本線(青/MACD)より下の場合

・デッドクロス(売りタイミング)
シグナル線(オレンジ)を基本線(青/MACD)が下抜けるタイミング 。プラス圏で起こるとより信用度が高い。

・レンジ相場
レンジ相場ではMACDの精度は下がり、機能しません。 基本線(MACD) とシグナル線が水平平行になり、クロスする形になってもあまり気にする必要はない。

・ヒストグラム
グラフ中央の棒状のヒストグラムの大きさはトレンドの強さを示し、トレンドの変換も分かりやすため、MACDとシグナルの2本線の推移だけで見るより売り買いの判断がしやすくなる。

例えば、左のチャート図。線を確認してどこでゴールデンクロスしたか判断できますか?
ヒストグラムを確認すると一目で色が変わっているで判断可能です。
※ヒストグラムの色の設定は人によって異なります。この図の場合は、MACD線がシグナル線より上にあるとオレンジになる設定です。
・設定

MACDの動きは設定によって大きく異なります。ゴールデンクロスを買いサインとした場合は、とても重要となりますので決める必要があります。
分からない方は、最初に説明した通り右の設定がおススメです。
短期線(ファスト)を12、中長期(スロー)を26、シグナルを9日です。ほとんどの場合のデフォルト設定で、多くの方が使用しています。
左はあるレバナスユーチューバーの方のおススメで、シグナル線を4日にしたものです。
中央は一般的な攻めた設定になります。
左や中央の設定は通常設定と比較し、意図的にゴールデンクロスを起こりやすい設定(上昇や下降の変化の感度を高めている)にしており、底値付近で買える可能性がありますが、騙しに合う可能性も高くなります。 設定を変更する場合は注意して下さい。
MACDまとめ
NASDAQ100指数の先ほどの戦略をMACDを加えて考えてみる。
落ちてくるナイフは掴むなの格言もあり、トレンドラインやRSIが機能するか分からない中、一括購入は危険と判断。次のように購入タイミングを変更する。

今までの指標をフル活用し、最終的な購入戦略を確定するよ。
資金を3分割し次の2つのタイミングで購入する。
①100日移動平均線を実体で割り込み、トレンドラインに実体で乗ったタイミング
②①を満たした後、MACDがゴールデンクロスしたタイミング
日足RSI40以下であること、VXNも参考までに確認する。
補足
1.2020年9月から続く下落時のトレンドラインは現在機能すると考えるが、今後機能しないと判断した時からは購入タイミングの指標から外す。その際は、100日移動平均線を割り込んだタイミング。
2.100移動平均線を実体で割り込んだがトレンドラインに実体で乗る前に反発した場合は、
ゴールデンクロスしたところの1回分のみで購入。
3.3分割した資金を①②のタイミングの2回で購入し、予想通りの値動きだった場合は1回分を次回購入時の資金に回す。ただし、トレンドラインを確実に割り込んで推移した場合は購入に充てる。その際は、200日移動平均線、VXN40以上、RSI30切り、RSIボリンジャー等を活用し買い時を判断する。
7.今すぐ購入
先ほどまでの購入戦略は切り離し、ここではこれまでと趣向を変えます。
「押し目待ちに押し目なし」という相場の格言もあり、強い上昇相場入りした銘柄では、「押し目」を狙っていてもなかなかチャンスが来ないこともあります。押し目での購入ではありませんが、今すぐ購入することも有力な方法です。 押し目を狙うことではなく、安い価格で購入することが目的であることを忘れてはいけません。
下記は、2021年の5月頃からのNASDAQ100チャートになります。
例えば、6月に出たボーナスを使い押し目を狙って購入しようと考えます。現在9月末だとして、購入タイミングはいつでしょうか?
今年の6月時点(6月中旬)の株価水準は、9月初旬の過去最高高値から-11%~-12%の水準です。過去を振り返ると、NASDAQ100指数は9月~11月に一回調整(ある程度大きな下落)局面を迎えますが、通常であればMax下落して6月同等の価格です。逆に言えば6月時点の価格に1度もならずこのまま上がっていく可能性も高く、6月時点での購入が正解になるかもしれません。
※勿論可能性の話です。


左は7月や8月にやや下落した地点のチャートです。25日移動平均線にタッチしていることやRSIボリンジャーを確認すると買い場と判断出来なくもありません。
6月で最も高い日と7月の最も低いがほぼ同水準ですので、今回の仮定である6月のボーナスは6月中に入れてしまって良かったことになります。
米国指数の株価は基本的に右肩上がりで、リセッション局面(コロナショック等の景気後退期)でない年の場合は、年始に購入する場合が一番得になるケースが多いことが知られています。
まとめ
押し目買いとは
押し目買いとは、上げ相場で株価が下落したタイミングを見計らって買いを入れる手法です。株価が下落することを、相場用語で「押す」と表現することからこう呼ばれ「押し目を拾う」といった用法としても使用されます。
押し目買いの判断基準
押し目買いの判断基準は人それぞれですが、有名なものをご紹介します。複数組み合わせる・数値をアレンジすることで精度を高めて、ご自身で納得する押し目買いをしましょう。有名な判断基準は下記の通り。この他にもフィボナッチ、ボリンジャーバンド、ローソク足(ローソク足の形や一定期間のチャート形状)等が有名なので気になる方は調べて見て下さい。
※ 投資は自己責任でお願いします。
1.下落率
2.移動平均線
3.トレンドライン
4.RSI
5.VIX
6.MACD
7.今すぐ購入
重要なことは押し目を狙うことではなく、安い価格で購入することと自信が納得出来る方法を決めることです。
押し目買いの指標の決め方
押し目買いは大きく3つの考えに分類可能。ご自身の考えに合うものを選定しよう。
①最近の中では割安なタイミングで購入する方法。
→下落率・移動平均線・RSI
割安ではあるが最安値ではない。
②下落での底値を予想し、そのタイミングで購入する方法。
→トレンドライン
最安値ではあるが、回数が少なく機会損失になる。トレンドラインが外れる可能性がある。
③底値を抜けて上昇トレンドに転換するタイミングで購入する方法。
→MACD
上記内容をチャートを使用し、説明します。

RSI
RSI40切りは1つの買い増し基準になり、実際に最安値時もRSI40以下である。RSI40切りの日は複数あり、最安値時を断定することは出来ない。
トレンドライン
今回はトレンドラインで反発しているためほぼ底を拾うことが可能になるが、上にも下にも外れた場合の対応策を考えておく必要がある。
RSIとトレンドラインでは、そもそも今後下降トレンドになり下がり続けるかどうかを判定出来ない。
MACD
ゴールデンクロスをしたタイミングからもみ合いを経て上昇トレンドへ。このタイミングでの購入は少し割高になるが、トレンドに乗れる可能性が高くなる。
購入シナリオ
下記のような格言あることは先ほども説明しました。
相場下落時の投資は落ちてくるナイフをつかむようで、どこまで落ちるか予想出来ない。安値値圏の買い場だと思って飛びつくと痛い目に合う為、ナイフが床に落ちてから、つまり底を打ったのを確認してから投資すべきという相場格言もある。
ここまでで、通常の下落では対応出来る購入ルールを作成したとしましょう。
株価の未来を予測することは絶対に出来ないこと
最初に頭に入れておくべきことを覚えていますか?
下記は、ここ10年で最も下落したリセッション局面であるコロナショック時のチャートです。
最大下落幅は、約30%を記録しています。
作成した押し目買いタイミングが通用するか確認して下さい。


・下落率
私が下落率を買い増し基準に入れていないのは、大きな下落があることを想定しているからです。
・移動平均線
表示しているのは100日移動平均線ですが、どの日数もあまり参考にはならないようです。
・トレンドライン
リセッション局面ではトレンドラインは機能しません。使っているラインがあっても、大きく割り込む可能性が高いです。
・RSI
初めてRSI40切りをした地点ではまだまだ割高水準で、その後も下落し続けています。
RSI30切りした地点でも底ではありません。
・VXN
リセッション級の大きな下落では、通常時よりも精度が高いように思えます。
・MACD
ゴールデンクロスしてからは、一貫して上昇しているように感じます。
どの指標をもってしても、完全に買い時が分かるものはありません。
どのような指標を使用し、どのタイミングで購入し、想定が外れた場合の対応策を考えていくシナリオ作りの大切さが分かっていただけたらです。
今回は、テクニカル上での押し目買い時のタイミングについてを説明しましたが、実際の相場の方向性は政治や経済等の様々な情勢を受け決まりますので、 情報収集も合わせて行うことが必要です。