副業やテレワークの増加によって、自宅でPCを使用して業務を行う人が増えています。
そこで考えたのが、いかに生産性を高めて仕事を行うかだと思います。
オフィス用家具メーカーのSteelcase(スチールケース)が行った調査・研究で、PCを使用した業務の
作業効率を平均42%向上させた方法が紹介されました。この42%とは、もし、1日8時間みっちりPCを使用したデスクワークだと仮定すると、2時間半ほど業務が短縮されたという驚くべき結果です。
ずばりその方法とは、デュアルディスプレイでデスクワークを行うことです。
そこで今回は、デュアルディスプレイについて解説をいたします。

私自身も会社で以前から行っており、自宅でも導入しまいた。
もう、シングルディスプレイには戻れません!!
1.デュアルディスプレイとは
そもそもデュアルディスプレイとは何でしょうか。
それは、1台のパソコンにディスプレイを接続して2台同時に操作することです。3台以上操作する
場合は、マルチディスプレイと呼ばれます。
ノートパソコン等にディスプレイを接続することで、画面領域が広く使えるため仕事がしやすくなるとイメージして下さい。
もう少し、具体的に言うと・・・
このデュアルディスプレイにデメリットは、ほとんどありません。強いて言えば、作業スペースが少ないと難しいことと、ディスプレイで作業スペースの場所を取られることくらいです。
2.ディスプレイの選び方
今回は、自宅に据え置いて一般作業のみを行う前提で、コスパ重視の選び方をご紹介致します。
価格帯としては、1万円~1万3000円位を想定しています。
ゲームや動画編集、映像コンテンツを楽しみたい方は、より細かいスペックの確認が必要となりますのでご注意下さい。
予備知識

「画面比率」
画面比率(アスペクト比)は画面の縦横比のことです。パソコンやディスプレイの主流はワイドと呼ばる、(横16:縦9)か(横16:縦10)の比ものとなります。画面比率(横16:縦9)のものは、TVやYouTubeにも採用されています。ワイドが出始めた当初は(横16:縦10)が主流でしたが、現在はTVコンテンツに合わせるため(横16:縦9)にその座を譲っています。
「画面サイズ」
ディスプレイの大きさは、画面の対角線の長さをインチで表します。1インチは25.4㎝です。画面サイズは画面の対角線の長さなので、画面比率によって同じインチのものでもサイズが変わるので注意が必要です。
「解像度」
パソコンやディスプレイにおける解像度は特に画面解像度と呼ばれます。デジタル画像は小さな四角い点(ドット)が集まって構成され、その1つ1つの点(ドット)の単位をピクセルといいます。通常画面解像度は、【横ドット数×縦ドット数】で表示します。解像度が高いとは、ドット数が多く(密度が高くなりきめ細やか)なり綺麗に映るということです。フルHD(1920×1080)は、横に1920ドット・縦に1020ドットということで、現在のスタンダートと言えます。
少し専門的な話になりますので、読み飛ばしていただいても問題ないです。
「解像度とアスペクト比」
解像度はアスペクト比によって規格が決まっています。現在主流のものを下記に記載します。画面サイズは目安になります。
「画素数」
画素数は画面にあるドットの数を表します。フルHD(1920×1080)であれば、その表記の通り横ドット数×縦ドット数で2,073,600画素になります。
「4K」
4Kの「K」は1000ドットを意味します。1000g=1Kgや1000m=1Kmと同じですね。4Kの画面解像度は3840×2160で、横のドット数が約4000なので4Kと呼ばれます。横と縦のドット数がそれぞれ2倍になっているので、4KはフルHDの4倍の画素数を誇ります。因みに8Kの画面解像度は、7680×4320で横のドット数が約8000なのでそう呼ばれます。
「ドットピッチ」
ドットピッチとは、画面上の1ドットと1ドットの物理的な間隔を指します。解像度は画面の単純なドット数です。同じ解像度でも画面サイズが小さくなれば、ドットピッチが狭く(1ドットのサイズが小さくなる)なり、画面サイズが大きくなるとドットピッチが広く(1ドットのサイズが大きくなる)なります。高解像度のディスプレイは、ドットピッチが狭くなるので画面上の文字やアイコンが小さく表示されてしまいます。
余談ですが、4K等の高解像度が必要とされた背景として、画面サイズの大型化が挙げられます。画面サイズが大きくなると、ドットピッチが広くなり画像が荒くなったためです。
通称 | 解像度 | 画素数 | 画面サイズ |
フルHD | 1920×1080 | 2,073,600 | 24インチ前後 |
WQHD | 2560×1440 | 3,686,400 | 24インチ~27インチ |
4K | 3840×2160 | 8,294,400 | 28インチ以上 |
通称 | 解像度 | 画素数 | 画面サイズ |
WUXGA | 1920×1200 | 2,304,000 | 24インチ前後 |
WQXGA | 2560×1600 | 4,096,000 | それ以上 |
画面タイプ
「ワイドタイプ」
一般作業用としては、主流のワイドタイプ(横16:縦9)をお勧め致します。ワイドタイプ(横16:縦10)のものは、数も少なく値段的にも15000円~となってしまうためお勧めしません。ワイドタイプは、場合によって画面を2分割で使用できる点がメリットです。16対9のものは、最近のパソコンと同じアスペクト比のため、画面比感に慣れていることもポイントです。
「スクエア」
画面の横と縦の比が5:4で、正方形に近いモニターです。横幅を取らないメリットがありますので、自宅の机の広さによっては検討の余地があります。また、ネットの閲覧やWord等は見やすい特徴もあります。
画面サイズ
一般作業用としては、21.5インチから24インチのものをお勧めします。コスパと作業性を兼ね備えています。ゲームや映像コンテンツ利用も兼ねる場合は、27インチ~32インチも人気サイズとなっています。
画面サイズ一覧(ワイド16:9)
画面サイズ | 横幅 | 高さ |
21.5インチ | 47.6㎝ | 26.77㎝ |
23インチ | 50.92㎝ | 28.64㎝ |
23.8インチ | 52.69㎝ | 29.64㎝ |
24インチ | 53.13㎝ | 33.89㎝ |
27インチ | 59.77㎝ | 33.62㎝ |
ディスプレイサイズ
作業スペースに制限がある場合は、とても重要な指標となります。
画面のサイズが大きくなれば、当然ディスプレイ全体のサイズが大きくなります。フレームが細いモデルを選びましょう。
スタンドの形状と全体サイズにも注意です。せっかくディスプレイのフレームや厚さが薄くてもスタンドの形状で台無しになることもあります。邪魔になりにくい形状を選ぶことと、スタンドを含めた全体サイズの確認を行いましょう。コスパ重視のディスプレイは、高さが固定されるものが多いのも注意点です。
解像度
最近では4K以上対応のディスプレイもありますが、一般作業をお勧めした24インチ前後のディスプレイで行うのであればフルHD(1920×1080)をお勧めします。コスパの観点及び、一般作業を行うには十分な画質だからです。最近のパソコンであれば、スペックや接続方法を気にしなくともフルHDに対応している点も良いです。
一方で、4K等の高解像のディスプレイは、映像が綺麗に映るので映像コンテンツの利用にお勧めです。また、一般作業を行う際のデメリットとして文字やアイコン等が小さく表示され、細かい作業がしずらいことが挙げられます。
高解像度のディスプレイ購入時の注意事項!
ディスプレイの解像度は、パソコンで出力可能な解像度に依存します。つまり、4K対応のディスプレイだとしてもパソコンのスペック(グラフィックボードの性能)が低い場合は低い解像度でしか表示されません。また、ディスプレイとパソコンを接続する端子によっては高解像度に非対応のものもあるので、購入時に確認が必要です。
液晶パネルの種類
パソコンと同じく、「TN」・「VA」・「IPS」と3種類のパネルがあります。
「IPSパネル」
一般作業用としては、IPSパネルがおススメです。IPSパネルは発色の良さ、178°の広視野角(どの角度から見ての色彩や光彩が変わらずに見える)が特徴です。コスパ重視のディスプレイでも採用されていることが多いです。ゲームをするのには向いていません。
「VAパネル」
黒色の表現に優れいているのが特徴です。メリハリのあるくっきりとした画質になります。デメリットは特にありませんのが、やや尖った画質になるため購入者の好みとなります。
「TNパネル」
消費電力とコストが低い点がメリットです。ただし、ディスプレイはIPSパネルのものを安く購入
できるので、メリットが薄いです。ゲーム用として使用されます。デメリットとして、視野角が狭く見る角度で画面の色味が変わることが挙げられます。
表面処理
こちらもパソコンと同じく、グレア(光沢仕様)とノングレア(非光沢仕様)の2種類があります。
低価格帯で、どちらも選択可能なため購入者の好みとなります。
一般作業用として、ノングレアをおススメします。
「ノングレア」
メリットは、長時間の使用でも疲れにくいことです。グレアと比較すると、発色が劣ります。
「グレア」
画面が鮮やかに見えるメリットがあるため、ゲームや映像コンテンツでの目的に適しています。
目に優しい!あると良いおすすめ機能
どちらも、安いモデルでも搭載されている場合があります。
「フリッカーフリー」
画面のちらつきを抑えて目の疲労を軽減する機能。
「ブルーライトカット」
ちらつきや眩しさの原因であるブルーライトをカットする機能。
接続端子
接続端子選びは、とても重要な要素です。何故なら、接続端子は基本的にパソコンとディスプレイで同じ端子を使う必要があるからです。コスパ重視のモデルだとディスプレイ側は、「DVI」か「D-Sub」か「HDMI」の内2つに対応しているものが多い印象です。しかし、同じくコスパ重視で最近のパソコンのほとんどは、先の3つのうち「HDMI」のみの対応している場合が多いので注意が必要です。ここで1番大切なことは、お持ちのパソコンの接続端子を確認することです。
「DVI」端子
現在、ほぼ搭載されているパソコンがないため割愛します。より端子の小さいHDMIやDisplay Portに移行しています。仮に古いパソコンをお使いでも今後のために他の端子での接続をお勧め致します。
「D-Sub」
映像のみを、現状唯一のアナログ信号で伝える端子になります。「VGA端子」や「アナログRGB」とも呼ばれるますが、全て同じ端子を指します。画質も悪いこと、今後淘汰されていくと思われるため、他の端子での接続をお勧めします。音は伝えられません。
「HDMI」端子
コスパ重視のパソコン・ディスプレイの両方に搭載されている可能性が高く、主流の1つです。1番おススメの端子です。映像と音声を1本で対応できます。1.4と2.0以降のバージョンがありますが、フルHDであれば1.4で問題ないです。コスパ重視だとほぼ1.4だと思いますが4Kもやや画質が落ちますが表示できるので問題ないかと思います。
「DisplayPort」
映像出力の端子で最強のスペックで、コスパ重視のディスプレイに搭載されいていることも多いです。ただし、コスパ重視のパソコン側に搭載されていることが少ないためここではあまりお勧めしていません。お持ちのパソコンに端子があればおススメです。1.2や1.4等のバージョンがありますが、1.2で4K対応しているので1.2でも問題ないかと思います。
「Thunderbolt」
最新のUSB4.0と並んで、超高性能の端子です。最近のMacBookには、インターフェイスがこれしかありませんし、その他一部のパソコンにも搭載されています。Thunderbolt関しては、USB typeC という端子がディスプレイにあれば接続可能です。Thunderbolt対応のディスプレイは値段が相当高くなるので、ディスプレイ側の端子はUSB typeC がおススメです。それでも値段は2万円前後となります。USB typeCはが映像出力が出来ないものがあるなど本来はとても複雑ですが、ディスプレイは映像出力するものなので勿論対応しています。ここでの注意点は、付属のケーブルの長さが足らない等で自分でケーブルを購入する場合です。USB typeCケーブルにも映像出力できないものがあるのでご注意下さい。
「端子の変換方法」
接続端子の冒頭で、基本的にはパソコンとディスプレイの端子をそろえる必要があるといいましたし、それが望ましいと思います。ただ、既にお持ちのパソコンが映像出力に対応していない場合も十分考えられます。

私のパソコン、接続端子がUSB type Aしかなくて
ビビりました。
そんな時に活躍するするのが、「映像変換アダプタ」です。
ただし、USB type Aから変換する場合はドライバのインストールが必要で、認識しない等上手くいかないことがあったり、音声出力が不可のアダプタがあるので最終手段とお考え下さい。
「USB typeC(オルタネートモード対応)」
USBにはAやCのように様々なタイプの形状があります。このうち映像出力が可能なのは、USB type-Cだけです。ただし、話がややこしくなりますが、USB type-Cが必ずしも映像出力に対応している訳ではありません。対応しているものは、オルタネートモード(Dの表示)に対応しているか上位互換のThunderbolt(雷のマーク)になります。どちらもDisplayPortによる出力になります。下記はマークになりますが、記載がないものもあるので仕様書を必ず確認下さい。

その他
「スピーカー」
見落としがちなのが、スピーカーです。コスパ重視のディスプレイでは非搭載もでるも多いですが、調べればちゃんと搭載しているものもあります。必要ないと考えていても同じ価格帯で買えるので、付いているものをおすすめします。
「画面の向き動かす機能」
画面の動かす機能を説明します。ほとんどの機能がコスパ重視のディスプレイには非搭載です。
「チルト機能」(搭載)
画面を上向き・下向きにする機能は、コスパ重視のディスプレイでも搭載されています。
「ビボット機能(画面回転)」(非搭載)
横長のモニタ部分を90度回転し、縦長画面としても使うことができる機能です。
「スイーベル機能(水平回転)」(非搭載)
モニタ部分を左向き・右向きに動かせる機能のことで、首振り機能とも言われます。
「高さ調整機能」(非搭載)
その名の通り、高さを調整します。
まとめ
画面タイプ | ワイドタイプ |
画面サイズ | 24インチ前後 |
解像度 | フルHD(1920×1080) |
全体サイズ | フレームが細く、スタンド含めコンパクトなもの |
液晶タイプ | IPSパネルのノングレア(非光沢) |
接続端子 | お使いのパソコンと同じ端子 |
映像出力可能な端子例 | 「HDMI」「DisplayPort」 「USB typeC(オルタネートモード対応/Thunderbolt含む)」 |
私のコスパ重視のおススメ指標をまとめますので、ご参考にして下さい。動画編集やゲーム含めた映像コンテンツの利用を重視しなければ、かなり値段を抑えることが出来ます。早速、デュアルディスプレイを活用し快適な業務を行いましょう。