投資信託の目論見書を確認していると「ファミリーファンド方式で運用されています」等の言葉が良く出てきます。今回はこのファミリーファンド方式について説明します。
ファミリーファンド方式とは
ファミリーファンド方式とは、複数のベビーファンドから資金を集めてマザーファンドで実際に株式や債券の投資・運用する方式のことを指します。マザーファンドとベビーファンドの関係性からファミリーファンド方式と呼ばれています。マザーファンドはベビーファンドと同じ運営会社が運営しています。
投資信託の中には「為替ヘッジあり/なし」「決算回数が異なるだけ」「信託報酬が異なる」等でファンドが分かれてることがあります。大元(マザーファンド)は同じで、細かい設定の違いはベビーファンドで変更する方が効率が良いことは、何となく分かるかと思います。


※上記はファミリーファンド方式の一例ですが、バランスファンドのように株式と債券など複数に投資を行う商品ではマザーファンドは複数になります。
・ベビーファンド
実際に投資家が投資するファンドのことです。実質的な運用を行わず、分配金や為替ヘッジ、現金の管理等を行います。
・マザーファンド
投資家が直接的に投資することが出来ません。ベビーファンドから集めてた資金で株式や債券の投資・運用を実質的に行います。直接的に投資していないため、ベビーファンドとマザーファンドの両方で信託報酬が発生することはありません。
メリット
資金を大きくすることで、運用管理の効率化や売買コストの削減が行えることです。特に資金規模の小さい新規ファンドではこれらのメリットの他に、十分な分散投資がおこなえたりまとまった資金のいる商品の投資を行えるようになります。
ファミリーファンド方式と似た方式に、ファンド・オブ・ファンズがあります。一般的な投資信託は複数の株式や債券に直接投資をしますが、ファンド・オブ・ファンズは複数の「別」の投資信託を組み入れ間接的に投資をする投資信託のことです。
・メリット
複数の株式や複数の債券を買った投資信託を組み入れるため、分散効果が効いて運用の安定性がさらに高まります。
個人投資家が投資しにくい商品へ簡単に投資をすることが出来る。
・デメリット
実質的に投資信託を二重・三重と購入するということになるため、コストが割高になります。目論見書には「実質的な信託報酬率」が書かれていますので、購入前の確認が必要です。

