今週は、生産者物価指数(PPI)の発表や1月FOMC議事要旨の公表等もあったがウクライナ情勢に振り回された一週間となった。ウクライナ情勢悪化の報道がなされると株価は下落し、ロシア軍撤退などの情勢改善の報道がなされると株価は上昇した。結果的に週間ベースでは3指数揃っての続落となり、テクニカル的にもファンダメンタル的にも今後の更なる下落を示唆されたことが大きい。
経済指標に目を向けると注目されていた生産者物価指数(PPI)は、市場予想の9.1%に対して9.7%と高インフレが再確認させられる内容で、この結果を受け長期金利は再び2%を突破しました。
FOMCの議事要旨の公表では、公表内容がハト的で想定内と判断され株価は公表直後に一気に上昇した。金利の急上昇でも株価上昇したことやFOMC議事要旨の公表内容がハト的と判断されることからも金融政策に関してはかなり強いものが市場に織り込みされたと考えられる。

来週は引き続きウクライナ情勢に注目です。ロシア軍とベラルーシ軍の軍事演習と北京オリンピックが閉幕が重なる2月20日以降は更に緊張感が高まります。
・インフレが鈍化しない場合は、想定より早いペースで金融緩和を解除する。
・利上げに関しては年3回よりも多い可能性がある。ただし、3月のダブル利上げ(通常0.25ポイントのところ0.5%上げる)に関しての明確な議論はなかった。
・QTに関しては年内(具体的開始時期は不明)に自然縮小を開始させる。
上記の通り、ほぼ市場では織り込まれていることであった。ただし「いかなる政策についても、今回の議事要旨が最終判断になることはないと」と述べられている通り、FOMC議事要旨の内容は今市場が織り込んでいる状況と比較するとハト的に感じますが、CPIやPPIの強い結果はFOMC後に出ていますのであてにはならないと思います。

現在の金融引き締めの市場予想の一例です。1月FOMC後から強い引き締めを市場では織り込み始めています。利上げに関しては現在、5回から7回を市場は織り込んでいます。7回利上げでない場合は、中間選挙前の11月が外れる第一候補となります。
※QT(償還)→自然縮小のことで、保有する債券が満期を迎えた際に再投資せずに償還すること
QT(売却)→より積極的にQTを行うため、保有する債券を売却すること。

売上高は市場予想74億2000万ドルのところ76億4300万ドルで前年同月比で53%増。
1株当たり利益は、市場予想1.22ドルのところ1.32ドルであった。
全体としてとても素晴らしい結果だったが、アーム買収の断念や車載半導体の売り上げ高のように一部を切り取るとコンセンサスに届かなかった部分があり株価は下落となった。

売上高、一株当たり利益をともにクリアし、好決算を迎えたウォルマートは4%の上昇となった。
今週の結果
レバナス基準価格とトータルリターン

来週の月曜日は、更に下落スタート。来週以降は遂に基準価格の30,000円と7,000円割れに向かう可能性が高いです。
NASDAQ100とその他の指数の値動き
・一週間

・年初来

週間ベースでは、先週に引き続き3指数揃っての下落となった。
NASDAQ100は下落幅こそ小さくなったが、今回の下落の底である14,000ポイントに到達。
このポイントに支えられたともいえる。
年初来でNASDAQ100は15%以上の下落、S&P500も9%超の下落となり来週には調整局面(高値から10%超の下落)を迎えるかもしれない。
長期足チャート
大きな時間足で「大局」を認識することはとても重要です。

月足を確認するとMACDがデットクロスしています。来週以降も厳しい状況が続き、2月は本当にデットクロスする可能性があります。
RSIは57.5でこれも低水準です。
コロナショック時は月足RSI54.5が底でした。リーマンショック以降で、月足RSIが50を下回ったことがないので1つの基準になるかもしれません。

週足RSIは引き続き40切りをしていて、買い増しチャンスかもしれません。このお通夜状態で誰が買いますねんってツッコミが入りそうですが。
既に実体ベースでは1月末の底よりも切り下げていて今後も下落する可能性が高いです。
月足や週足で見ると分かりますが、14,000ポイントを下抜けると支えてくれるラインが暫くないことが分かります。
日足チャート

〇NASDAQ100
週の後半に大きく下落し週間でも下落となったNASDAQ100。
RSIは36.7と、ここ3週間レンジを形成していた底値の40を完全に割り込んた。MACDもデットクロスをしてS&P500に追随する形となった。
1月末から戻り高値となっていた相場。
ダブルトップを付け、下落に転じている。そのネックラインである14,600ポイントは右のチャートを見ると分かりますが、サポレジ転換をしている。


三角持ち合いのようになっているが、下抜ける可能性が高い。
2月に入ってからは上値と下値を切り下げている。
唯一の朗報は、RSIが切り上がっていることです。今後株価が下落しても、1月末時点と比較してRSIは切り上がること(ダイバージェンス)が予想され、売り圧力自体は弱まっていることを示唆している。これはMACDにも言えることから、大方の予想通りに数か月レベルで上昇トレンドに戻る可能性がある。



このまま下落するとなると下記の法則が当てはまるかもしれない。
少し遅いかもしれないがRSI60を超えてこないと本当の上昇にはならないことが多かった。

RSI50の法則は、私が個人的に発見し検証中の法則です。
※RSI50はおおよそで、47前後から53前後を見ています。
下落局面での日足RSIは、過去40切りすることが多々あります。その後の上昇局面で一旦はRSI50前後まで戻しますが、1~2回は押し戻され株価も大きく下落するというものでかなりの確率で発生しています。
コロナ禍以降のNASDAQ100の下落を確認すると、一度下落したRSIが上昇して50に到達すると1回~2回は押し戻され再度下落することが見て取れます。コロナショックとコロナ禍以降の大きな下落を合わせると、2022年の下落を除くと6回中5回はこの現象が起きている。発生していないのは、一気にRSI50を突破した2020年11月の下落のみ。
コロナショック時も似たような現象となっている。RSIが26.9で底を打ち47.2(若干低いが)で反転すると再度下落している。
この反転現象は、最大下落幅の3分の1~3分の2程のタイミングで起きている印象。

この法則は、「RSI50から押し戻される際に大きな陰線をつける」ことが多かったり、「MACDのゴールデンクロスはこの押し戻された後に発生する」ことが多い等の類似点が多くあります。
関連チャート

VXNは乱高下中。今後は更に上昇して実体ベースで40を超えてくる可能性があります。その時に買い向かえる人には1つのチャンスになるかもしれません。
米10年国債利回りは、一旦直近の終値で高値となる2.05%程を付けたもののウクライナ情勢悪化により安全資産の債券が買われた結果急落している。
原油先物価格も上昇トレンドではあるが、上昇幅は減ってきた。イラン核合意やリスク・オフにより売られる一方、ウクライナ情勢悪化によるエネルギー供給不安を背景に買われる展開で両方に圧力があるためである。
3週間ぶりに積み増す結果となった。

米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表するEIA原油在庫量は、米国企業が在庫保有している商業用原油量を週間単位で測定と公表している。在庫量の増減は、石油製品の価格に影響を与え、インフレや他の経済動向にも影響を与える可能性があり重要な指標とされる。
一般的に原油在庫量が増加した場合は需要の低迷を意味し、原油価格には売り材料となる。在庫量が減少した場合は需要の増加を意味し、原油価格の買い材料とされる。
経済指標
今週と比較すると来週は大きなイベントはありません。
月曜日は休場になります。


・火曜日

全て項目で予想を上回る強い結果となりました。
金利は急上昇しましたが、株価は強く上昇しました。ある程度高いことは予想出来てたと思います。

生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格の変動を調査・算出した経済指標のこと。
「卸売物価指数」として公表されたり、英語表記「Producer Price Index」の頭文字を取り「PPI」と呼ばれることもある。生産者物価指数は、全調査対象の物価動向を示した「総合指数」のほか、構成要素のうち季節要因の変動が激しいエネルギー価格と食品価格を除いた「コアPPI」を用いることが多い。世界各国で発表され、各国(地域)のインフレ動向を測る重要な経済指標として、消費者物価指数(CPI)とともにマーケットでも注目される。米国では労働省が国内製造業者の約1万品目の販売価格を毎月調査・公表しており、インフレ率の判断材料に用いられる。インフレが進む際に、消費者物価指数(CPI)よりも早く反応する先行指標として知られており、PPIが急上昇した場合にはインフレが迫っていると判断される。
・水曜日

とても強い結果となりました。

昨年の春以降では最も良い結果となりまいた。金曜日に決算がある小売り大手のウォルマートの結果が楽しみですね。
米小売売上高は、百貨店、スーパー、コンビニ等の小売・サービス業の月間売上金額をまとめた景気関連の経済指標を指す。前年比と前月比が発表されるが、前月比で増加すると個人消費は堅調と判断され、逆に減少すると個人消費は落ち込んでいると判断される。
各国で発表される小売売上高であるが、米国では個人消費がGDP(国内総生産)の約7割を占める消費大国とあって、消費動向・景気動向を知る上で特に重要視される。
自動車を除いたものをコア小売売上高と呼ぶ。
・木曜日

前回と予想を下回る非常に悪い結果となりました。
米労働省が毎週集計し、集計期間の翌木曜日に発表しています。アメリカ国内の雇用情勢を示す経済指標で、失業者が失業保険給付を初めて申請した件数を集計しています。景気の動向に敏感に反応し、景気先行指数として、雇用統計の約2ヵ月先行すると言われています。
・金曜日

利上げ前の駆け込み需要か。
全米不動産協会が、中古住宅の販売件数を所有権の移転が完了した段階のものを集計し、毎月発表する指標。季節ごとのの調整をかけた上で年率換算される。
販売成立時点を集計する新築住宅販売と比較し1~2カ月の差がある。米国では中古住宅の市場規模が新築住宅と比較しはるかに大きいことから、新築住宅販売件数よりも市場の注目度は高い。
住宅の購入に伴って家具・家電などの耐久消費財が購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きく、景気動向の先行指標として注目される。
レバナス情報


大きく下落することが多かった。

先週同様、冴えない結果となった。下落当初は買い増しする人も多かったが。販売金額が低迷している。もはや積立件数やNISAの販売金額は減っている。