USBとは パソコンのインターフェイス 

パソコン関連

パソコン選びにインターフェイスは重要な要素です。その中でも特に重要且つ、複雑なのがUSBです。

「USBって、パソコンのマウスさす所ね。」
「あ、スマホの充電で使用しているな。」

って思い浮かべた方!
それ、正解です。ただ、今や様々なこと出来るUSBの機能を知らずにパソコン選びをすると損をする可能性があります。

 shoumaru
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私がパソコンを実際に購入する際のインターフェイスの説明が、
「USB3.1 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)」と記載されていました。
皆さん???ってなりませんか?


そこで今回は、USBについてパソコン(特にノートパソコンを念頭)と関係の深い機能を中心に解説していきます。USBの端子は当然数が多いに越したことはありません。しかし、パソコンの小型化に伴い数が絞られているのが現状です。その為、同じ価格であればより高性能で、自分が必要としている機能のUSBが搭載されているパソコンを選びたいところです。

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そもそもUSBとは

USBとは、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)の頭文字をとったものです。パソコンと、その周辺機器を接続する端子の規格の1つです。USB出現以前は、接続する機器でそれぞれ端子が異なり、ケーブルがとても複雑化していました。その為、「間違ったケーブルを購入し接続出来ない」ことや、パソコンや周辺機器を買い換えたら「既存のケーブルが使用出来ない」等、多くの問題がありました。その課題解消のため統一規格として開発され、現在ではパソコンにおける最も代表的なインターフェイスの1つとなっています。

USBが一躍主流にまで上り詰めた理由

今では当たり前の機能ですが、当時としては画期的なもので普及を後押ししました。

1.「ホットプラグ」という機能で、PCの電源が入っている状態でも端子の抜き差しが可能となった。

2.デバイスの動作に必要な電力をPCから供給できるようになった。(例:マウスやUSBメモリ等)

3.USBハブを介して多数の機器を接続できるようになった。

ハブとは左記の様なもので、USBに接続することで様々なインターフェイスを増設し賄える機器のことです。

→インターフェイスの数が少ないMacbookでは必須級の機能となります。

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USBについて

USBを複雑化させている要素について

USBを複雑にしている要素は大きく3つあります。複雑化解消のため作られた規格がここまで複雑化した原因は、USBの進化とともバージョンが新しく更新され、形状や機能が追加された為です。

冒頭で、私がパソコン購入時に愕然としたインターフェイスの表記を例に説明します。
「USB3.1 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)」

 shoumaru
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前から順に、黄色く塗った部分の説明をしていくよ!

1.バージョン(規格)

「USB3.1 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)」

「バージョン(規格)について」

USBのバージョン(規格)

現状、パソコン・ケーブル・周辺機器はそれぞれ上記のバージョン(規格)が混在して使用されています。USBには互換性があるので、バージョン(規格)がそれぞれ異なったパソコン・ケーブル・周辺機器のものを接続してもtype(端子形状)が同じであれば使用することが可能です。USBのtypeAはバージョンによって樹脂の色(ピンの数も)が異なりますが問題なく使用可能です。ただし、注意点が2つあります。

①USBtypeB(MicroUSBも含む)のバージョン2.0とバージョン3.0のように形状が異なるものは物理的に接続出来ません。
②パソコン・ケーブル・周辺機器のバージョンが異なるときは、最も下位バージョンが適用されることです。例えば下記の場合、パソコンのUSB2.0が適用されケーブルやディスプレイの本来の力が発揮されません。

「バージョン」
現在の主流は、表にある通りバージョンが2.0以降のものです。数値が大きいものが新しいバージョンとなるため、表の下の方が高機能となります。また、バージョン毎の呼び名は複数ある場合があるので注意が必要です。パソコンを購入する際の表記としては「USB3.2 ~」と記載されている場合が多いです。
表のUSB3.0でいうと「USB3.0は規格名」で、「USB3.2 Gen1は仕様名」と言います。現在は仕様名で統一が進められています。「USB3.1 Gen1」は「USB3.2」の規格が出現する以前の呼び名です。

「速度」
USBの基本的な機能の1つはデータの転送で、バージョンによる最も大きな違いはデータの転送速度です。USB2.0とUSB3.0ではおよそ10倍速度が速くなっています。速度は形状によらず、バージョンが同じであれば同じ速度で転送可能です。

「対応形状」
形状については後述しますが、USB3.2や最新のUSB4.0(上記表にはない)に対応している形状は、typeCしかありません。

「ロゴ」
ロゴはケーブルやパソコンの端子横に表示されていることがあります。ただし、表示されていない場合も多く、正確なバージョンはケーブルならパッケージ、パソコンなら公式HPの説明を確認して下さい。ロゴ右上記載の数字は転送速度を表しています。

最近のノートパソコンにはUSB2.0が搭載されていることは少ないですが、デスクトップパソコンではまだまだ現役です。また、現状USB3.2(USB3.2 Gen2×2)は搭載しているノートパソコンがほぼありません。まだ、新しい規格ですので端末に普及が進んでいません。より高性能な「thunderbolt3」と呼ばれる規格が先に普及していることも要因だと思われます。

メモ

デスクトップパソコン等に多い仕様ですが、複数のバージョンのUSBが搭載されている場合があります。この場合は、USBメモリ等のデータの転送を行うもののために、マウス等の転送速度の関係ないものを低いバージョンのUSBで使用することが賢い方法です。

2.端子形状

「USB3.1 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)」

「形状について」
USBは、PCのような「ホスト」と周辺機器である「デバイス」を接続するものです。差し間違いをなくすため、従来はホスト側がtypeAでデバイス側がtypeB(MiniやMicroを含む)のように端子形状で区別していました。しかし最近は、ホスト側とデバイス側を区別せずに接続可能なtypeCが出現しました。ちなみにUSBメモリ等は、ホスト側(typeA)にデバイス側が一体となったものと解釈されます。また、ホストとデバイスを繋ぐUSBケーブルの両端は「プラグ(オス)」であり、ホストやデバイス側の接続部は「レセプタクル(メス)」と呼ばれています。通常はこれらの接続部をまとめて、コネクタ(コネクター)と呼びます。端子やポートとも呼ばれます。オスがtypeAならメスもtypeAのように、同じtype(形状)でないと物理的に接続することが出来ません。

「USBの形状分類」
USBの形状は表の通り大きく5種類あります。
MiniとMicroの形状が小型のものは、現状typeBのみ存在します。

上記はUSBを形状で区別したものとなります。形状の図は全てメスです。用途は主なもので、例えば、スマホの端子はMicroUSBからtypeCへ徐々に移行しています。
typeAとtypeBはバージョン2.0の端子は白か黒で、3.0以降は青色(推奨のため必ずではない)で識別できますが、typeCは色の違いはありません。USBのtypeBとMicroUSBはバージョンによって形状が異なります。

「パソコンのUSBについて」
パソコンのUSB端子の形状は、ホスト側の扱いのためUSB-typeAと共通であるUSB-typeCの2種類になります。TypeAの方が見慣れている方が多いかもしれませんが、MacbookにはtypeC(※)が2つのみの仕様で、WindowsパソコンにもtypeCが付いていることが多くなりました。

※Macbookのインターフェイスは、記述した通りUSBのtypeCが2つ固定なので選択の余地はありません。ただし、MacbookのtypeCは高性能な「thunderbolt3」と呼ばれる規格となりますので、後述する通常のものとの違いや性能について確認して下さい。

3.オプション機能

「USB3.1 Gen1 Type-C(DP/PowerDelivery対応)

Type-Cは最新の形状で、その中でもオプション機能により従来のUSBには出来なかったことが可能となりました。注意する点は、2つです。

①オプション機能はtypeCのみで、typeAやtypeBに付くこはありません。
②オプション機能はtypeCでも必ず付いているとは限らないことと、付いている機能も様々であることです。

まずUSBの基本機能を確認し、次にオプション機能について説明します。
前提知識として、USBケーブルの配線図の確認をお願いします。配線は基本的にノイズに強くする為、差動伝送といって2本1セットで使用します。この1セットを1レーンと呼びます。

USB2.0
最も基本的な配線です。
電源:+,-
通信線:D+,D-
計4本

USB3.0-3.1
通信線が格段に増えました。追加された4本2レーンは高速通信線です。3.0の場合は3.0相当、3.1の場合は3.1相当の速度で通信可能です。
USB2.0を残しているので互換性があります。

USB-typeC
typeCの配線数は、電源検出(CC)1本、低速通信線2本、高速通信線4本2レーンがUSB3.0-3.1に追加され、合計15本となりました。この追加された配線を使用し、オプション機能を行います。逆に基本機能は、元々typeAにもあった配線で行います。また、USB3.2は、typeCで追加の高速通信用の通信線を使用するので、オプション機能との併用は出来ません(USB2.0とは可能)。

「基本機能」

USBのどのtypeでも使える機能です。ただし、性能的にはtype-Cが優れている場合があります。
①データの転送

バージョン毎の転送速度

繰り返しになりますが、USBの最も基本的な機能の1つです。同じバージョンならどのtypeでも同じ速度で転送可能です。
一般的な人なら「USBメモリ、外付けHDD、デジカメ、スマホ等」でデータの転送速度が関わってくるかと思います。

②給電(スマホ等)

USBは「USBバスパワー」と呼ばれる、コンセントではなくパソコン等のホストからUSBケーブルを介して充電出来る機能があります。

電力系の説明は、皆さんの馴染みの深いスマホの充電を例に話を進めます。また、細かい話はオプション機能で説明します。

各規格の対応電力表

基本的なUSBの給電能力の表になります。下記の点を押さえて下さい。
①基本的にUSBの最大電圧は5Vで統一されています。また、電力はあくまでも最大時の値です。
②USB BCは通常「Battery Charging 1.2」のことを指し、現在typeAとtypeBで一般的に普及している電力規格です。元々USBの給電は、マウス等の小さいものを想定していました。スマホの普及に合わせて、より大きな電力が必要となり主にバッテリーへの急速充電規格(USB-IF策定)として開発されました。
③TypeCの「Current」には特に意味はなく、ホストとデバイスが両方typeCで繋がれていれば7.5Wか15Wに対応しているとお考え下さい。逆にどちらかがtypeC以外であれば最大7.5Wとなります。

USB BC 「DCP]

USB BCには、急速充電と通信に対応した『CDP』と急速充電のみに対応して通信には非対応の『DCP(Dedicated Charging Port)』があります。また、従来のUSB2.0なら0.5A/USB3.1なら0.9A流れる『SDP』もUSB BCに含まれています。USB BCでは、ホストとデバイスが接続され給電される前にCDPかDCPの急速充電に適応しているか確認(この様な通信前の事前のやり取りをハンドシェークと呼ぶ)され、適応していない場合はSDPで流すために必要な訳です。

スマホ等の充電用途で、俗にいう「充電専用ケーブル」と呼ばれものがあります。その名の通りで、充電しか出来ませんので購入時には注意が必要です。ケーブルでは、ほぼ判断が出来ないのでパッケージを要確認です。ユーザー側のメリットは下記の通りです。

①値段を下げることが出来る。
②データ通信と充電を同時に行うと、最大電力で充電されなくなるのでそれを防ぐ。
③毎回、接続時にデバイスへのアクセス確認が表示されるのを防ぐ。

メーカー独自規格

USBの基本仕様に基づいた上記電力表ですが、紛らわしのはUSB端子を使用したLightningケーブル等の存在です。Lightningはアップル独自仕様で、iPhoneやiPadで使用されています。日本でiPhoneは絶大の影響力があり、ACアダプターやケーブルもアップルを意識した規格のものが発売されています。

他にも、QualcommのQuickCharge(QC)やAnkerのPowerIQ等の充電規格は、USB端子を利用しながらもメーカー独自の規格となり混乱の元となっています。

「オプション機能」

ここからやっとオプション機能について説明します。オプション機能は全てtypeC(両端ともに)でしか付くことはありません。基本機能でも性能が高く、オプション機能も付く可能性があるため、typeCは最強のUSBと呼ばれています。まず押さえておきたいことは、下記3点です。
①オプション機能は、ホスト・ケーブル・デバイスのそれぞれのメーカーが付けるか決めることが出来る機能なので、必ず出来る訳ではないこと。全ての機能を付けてしまうとそれだけ高価になるので、使わない機能は削った方がコストを抑えられ、ユーザーにもメリットがある。
②基本機能と同じですが、オプション機能もパソコン・ケーブル・デバイスの全てが対応していないと使用できないこと。
③ホストやデバイス、そしてケーブルでは、どのオプション機能に対応したUSBなのか判断出来ないことがあること。必ず購入時に要確認です。

typeC オプション機能

USBのロゴは、表示の義務やマークの定義が曖昧なものも多いです。 PowerDeloveryはまさにそれで、電池マークやコンセントの絵のものが存在します。電池マークは他の意味があるものもあり混乱するので載せていません。

TypeCの特徴

次世代USBのtypeCは従来のUSBと比較して細かい良い点があります。

①TypeAとTypeBには上下の区別がありますが、typeCには区別がないリーバリブル仕様です。
iPhoneのケーブル、Lightningケーブルに遅れをとっていた部分を解消しました。ユーザー側のメリットも大きいです。

②typeCのみホスト側とデバイス側の区別なく、両端をtypeCで繋ぐことが可能です。
③耐久性に優れていて、typeAは抜き差し1000回、typeCは10000回出来ると言われています。

PowerDelivery(急速充電やパソコン等の充電)

左記は、USB-typeC2.0の配線図です。
TypeAと異なり電源検出/CCがあります。
3.0以降のバージョンでも勿論あります。

USB-typeC2.0以上で対応可能ですが、2.0と3.0以降で(詳細は割愛しますが)厳密な性能は異なります。typeCでは、CCラインと呼ばれる電源検出用の配線でハンドシェークし、シンク側が対応していれば5V以上のUSB PDに切り替える機能があります。ゆえに、typeAのUSBでは行えません。

通称USB PDは、最大100W(20V/5A)もの電力を給電できます。従来のUSBでは、最大7.5W~15Wであったことを考えるその大きさが分かるかと思います。USB PDは、パソコンの周辺機器である外付けHDDや液晶ディスプレイ等のデジタル機器をUSBで賄いたいという需要が増えたために出来た規格です。

 shoumaru
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皆さん、突然ですが下記の計算式を覚えているでしょうか?

この式は電力を表すもので、USBの給電を理解するために重要となりますので頭の片隅に入れて下さい。

電力(W)=電圧(V)×電流(A)

電力(W):出力される電気エネルギー量
電圧(V):電気を押し出す力
電流(A):電気の流れる量

USB PDで押さえたい点は2つです。それぞれ説明します。

①出力可能な電力が増えたので、スマホ等の急速充電が可能となった。
②出力可能な電力が増えたので、より大きな電力が必要な機器を稼働させることが出来る。また、対応した機器であれば、様々な電力で稼働する機器に合わせて出力する電力を自動調整出来る(PDパワールール)。

急速充電
スマホ(デバイス)を充電することを考えて下さい。急速充電は高速充電等とも呼ばれますが、そもそもリチウムイオン電池にそのような機能がある訳ではなく、その電池の最短充電時間に近い時間で充電出来る場合をそう呼ぶます。ただ最近は、通常のUSB充電や付属品の充電器より短時間で充電出来るもの全般を急速充電と呼んでいる場合も多くあるかと思います。これは、何W以上を急速充電と呼ぶ等の定義がないことが原因です。また勘違いしやすいですが、電力に反比例した時間(電力を倍にしたから充電時間が半分になる)で充電出来る訳ではなく、充電量も充電時間に比例する訳ではありません。リチウムイオン電池の性質とデバイスの機能により、残量が少ない時ほど一気に充電する仕様のためです。長々と説明しましたが、要はスマホ(デバイス)が対応している範囲内で、より大きな電力ほど短時間で充電可能と認識していただければと思います。

スマホの急速充電規格

スマホ充電の上限電力は、おおよそ18W程です。最短で充電出来る規格はおおよそ下記の通りです。
スマホの充電(iPhone)
iPhone6.7(USB PD未対応) 12W=5V/2.4Aが最大になります。10.5W=5V/2.1Aも多くある。
iPhone8以降(USB PD対応) 18W=9V/2Aが最大になります。

スマホの充電(その他)
USB PD対応のスマホ    18W=9V/2Aか12V/1.5Aが最大となります。

PDパワールール
パソコンやACアダプターの様な給電する側のポートを「ソース(Source)」、給電される側のポートを「シンク(Sink)」と呼びます。前提知識として頭に入れて下さい。

PDパワールール

①USB PDは、標準電圧と呼ばれる5V/9V/15V/20Vに対応する必要があります。尚、昔の規格だった12Vにも対応している場合も多く見られます。

②5V/9V/15Vの3種は、最大3Aに対応しています。20Vのみ最大5A(PD最大の100W)に対応していますが、eMarker(認証チップ)を搭載した5Aケーブルを使用する必要があります。逆に通常のtypeC(両端)ケーブルは基本的に3Aまでは対応しています。

③パワールールとは、必要電力に応じて最適な電圧と電流を自動で選択する機能です。そのルールは表の通りです。また、「ソースの電力(W)≧シンクの電力(W)」の場合は動作を保証する必要があります。つまり、大は小を兼ねる訳です。

例:以下、ソースとシンクの接続時のハンドシェープでのやり取りです。シンク側より必要電力を要求されます。今回は、12V/1.5A(18W)とします。その電圧が5V/9V/15V/20Vの標準電圧で対応出来れば良いですが、そういかない場合もあります。今回の12Vは標準電圧にない為、その要求電圧以下(要求電圧以上の電圧をかけることは危険な為)で最も近い9Vの電圧で対応し、尚且つ2Aでなら必要電力を満たすことが出来ますます。つまり、シンク側は当初12V/1.5A(18W)を要求しましたが、ソース側の都合で9V/2A(18W)となった訳ですが、これを想定しシンク側は要求以外の電圧と電流に耐えられる設計が必要となります。このPDパワールールがあるため、本来特定の電圧のみ対応することは出来ません。しかし、現実はUSB PDと記載されていてもパワールールに則ってない場合があるので注意が必要です。

USB PDの挙動

①と②は通常の挙動を表しています。正常に稼働します。
③は、本来USB PDとしては規格違反です。ただ、世の中には多く存在しています。
➃は、電力が大幅に足らない場合の挙動です。パソコン等は、電力が大幅に足らない場合に少しずつ充電するものと全く充電されないものがあります。これは、完全にメーカーの仕様によるものです。ケーブルは3Aと5Aしかありませんが、ACアダプターは対応電力が様々あるので電力不足にならないよう注意が必要です。

必要電力

USB PD

上記は目安ですが、各デジタル機器の必要電力です。同じ機器でも機種により必要電力は大きく異なります。
ディスプレイは、15W~50W(23.8インチだと)位です。
パソコンは45Wか65Wが多い印象です。その為、ACアダプターも65Wまで対応するものがあります。
Macbookは、必要電力の幅が大きい印象です。Airは30Wと61W、Proタイプは年式によりますが、87Wか96Wがあります。

その他の仕様

電力供給を数珠繋ぎ

「スワップ機能」でUSB PDに対応した機器を接続し、電源1つで稼働させることが可能です。
理論上は最初に供給した電力が、必要電力の合計を上回っている限り接続可能です。
ディスプレイ等で使用すると、ケーブルを減らせるメリットがあります。

電力供給機器の入れ替えが可能

USB PDでは基本的には電源に繋がっている方をソースと認識し、電力供給を行います。この電源を上の図ではパソコンに接続し、下の図ではディスプレイに接続しています。このように電力をあげる側にも貰う側にもなれることをデュアルロールといいます。機器間のケーブルの付け替え等せずに接続することが可能です。

オルタネートモード(Alternate Mode)

これまでのUSBは、USBの信号のみ流せる仕様でした。しかし、typeCはピンの数や通信レーン数が増えたお陰で、別の信号のやり取りが出来るようになりました。typeCで追加した未使用の配線全てを、オルタネートモードに使用することが出来ます。ただし、USB PDの説明でUSB-typeC2.0の図を載せましたが、オルタネートモードで使用する配線がない為使用出来ません。大きな特徴は、「USBの通信を維持したまま他の信号のやり取りも可能」「オルタネートモードの仕様に対応させれば、どんな通信でも流しても良い」ということです。現実的に普及しているものは、下記の2つです。

①DisplayPort

HDMIのライバルで、パソコンとディスプレイを接続し映像を出力する端子として有名です。スペック自体はDisplayPortの方が上ですが、通常の接続端子としての普及率はHDMIに遅れています。オルタネートモード利用に限り、HDMIより普及しています。
規格上はDisplayPort1.2~1.4までに対応してますが、最も普及しているのはDisplayPort1.2です。

DisplayPort1.2で可能なことは下記の通りです。映像出力とデータ転送を同時利用すると性能が劣ります。
・4K 30Hz or フルHD 60Hz × 2台 + USB3.1
・4K 60Hz
※Hz(リフレッシュレート)は1秒間の映像切り替え回数の単位で、多いほど滑らかな映像になります。4K 30Hzは通常の4Kより若干規格上劣ります。

デイジーチェーン
PCから1台1台のモニターに映像信号ケーブルを接続する代わりに、PCからモニター1、モニター1からモニター2へと数珠つなぎする接続方法です。配線がすっきりする接続方法です。

②Thunderbolt

USB界の頂点ともいえる規格です。thunderboltは規格名ですが、アップルとインテルが開発したthunderbolt3(最新はthunderbolt4)しか現状ありませんので、同一と考えて差し支えないです。DisplayPortのオルタネートモードはUSB3.0-3.1の配線を残していましたが、thunderboltではそれらも使用して実現しています。この規格が出来ることは下記の4つです。つまり、今まで説明した機能を全て使えるので頂点の規格と呼ばれています。

①40Gbpsの超高速データ通信 現在最速となります。
②USB PDとして最大100Wの給電能力
③DisplayPort1.4(初期一部1.2)対応
→デイジーチェーン時、ディスプレイに4K出力が可能(1.2はフルDHまで)
➃USB3.1あるいはUSB2.0の後方互換性あり USB3.1はthunderboltの通信に含ませています。

ケーブルについて

ケーブルには、アクティブケーブルとパッシブケーブルの2種類があります。ケーブルによって、thunderboltの性能が変わるので注意です。
・アクティブケーブル
40Gbpsの高速通信可能で、ノイズ除去に対応したケーブルです。3.0-3.1の高速レーンをノイズ除去のために使用しているため、USB2.0でしか使用できません。長さが長いものもありますが、thunderbolt専用ケーブルとも言えます。高額なので、購入時に気づくかと思います。

・パッシブケーブル
通常のケーブルとお考え下さい。1m以上あるものは、thunderbolt規格でも20Gbpsでしか通信出来ません。40Gbpsの高速通信を行いたい場合は、50㎝から80㎝程もケーブルがおすすめです。購入時に必ず製品説明を確認しましょう。

まとめ

USBの選び方

①今後の主流となるTypeCを優先して選ぶ
→Macbook以外にTypeAが1つもないパソコンは少ないと思いますが、今まで使っているマウスやUSBメモリを継続使用するためにTypeAも1つはあるものが良いと思います。

②ロゴやバージョン(規格)から高性能なものを選ぶ。
→TypeCにはオプション機能があるので、必要なものを選ぶ。(逆に必ずある機能ではないので注意が必要です。)
PowerDelivery→最大100Wの給電能力がある。急速充電を行うことが出来る。
Display Port→映像・音声出力が出来る。
Thunderbolt3→データの転送速度最大40Gdpsで現状最速で、Display PortとPowerDeliveryを必ず含む規格となる。

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